なぜ数学は人を幸せな気持ちにさせるのか [著]クリスティアン・ヘッセ
[文]谷本束 [掲載]2012年07月06日
数学というのは学校だけではなくて、身の回りにごろごろ転がっているものらしい。森で迷った時、出口を見つける最短の方法、13年、17年とセミ が素数年で大発生するのはなぜか、ホメロスが『オデュッセイア』を書かなかったという証明など、数学から見えるもう一つの日常を書いたユーモアあふれる エッセー。
医者は数字オンチだという話が面白い。乳がんの人が検査で陽性となる確率は90%なのだが、では陽性と出た人が実際に乳がんである確 率は? 意外や意外、答えはたったの9%。落ち着いて考えれば誰でも答えは出るのだが、医者の実に3割が90%、3割が50〜80%と回答する。おいお い。
かのグーグルは「eの連続する数字の中で最初に現れる10桁の素数.com」とだけ書かれた奇妙な広告を作っている。数学的頭脳を持つ人だけに意味がわかる求人広告になっていて、つまり「そういう人材求ム」というわけ。あの会社のある種の凄みがわかる。
数学者をネタにしたジョークや、トンデモ語録がまた秀逸。爆笑、ニヤリの連続だ。
この記事に関する関連書籍
著者:クリスティアン・ヘッセ/ 出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン/ 価格:¥2,100/ 発売時期: 2012年03月
著者:ホメロス、松平千秋/ 出版社:岩波書店/ 価格:¥840/ 発売時期: 1994年09月
著者:ホメロス、松平千秋/ 出版社:岩波書店/ 価格:¥798/ 発売時期: 1994年09月
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