漫画貧乏 [著]佐藤秀峰
[文]曽根賢 [掲載]2012年07月27日
著者は、幾度も映画化された『海猿』、やはりドラマ化された『ブラックジャックによろしく』(単行本の累計10,000,000部超)の原作漫画家。
本書でまず暴露されるのは、大手漫画編集部の、理不尽なやりくちの数々。表現の無断変更。作品の二次使用無断許諾。出来レースの漫画賞。描いても描いても原稿料では赤字となる仕組み──果ては、某漫画雑誌編集長のこんな本音。
「漫画がなくなっても、会社がある限り、私たちは給料をもらえるんですよね」
編集部への不信感が頂点に達した著者は、ついに現状の出版システムへ三下り半を突きつける。こうなったら「出版社を介さない漫画家と読者の関係」を築いて やろうじゃないか! そこで著者が模索し選んだ道は、漫画家が自ら「電子書籍サイト」で作品を販売するビジネス・モデルだった。当然、既得権益を死守した い出版社側は圧力をかけ、同業者からもやっかみ半分の批判が殺到。だが、紙文化の終焉に、あえて棹さす漫画家の意気地に、私は喝采!
この記事に関する関連書籍
著者:佐藤秀峰/ 出版社:PHP研究所/ 価格:¥1,260/ 発売時期: 2012年04月
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