2009年5月28日木曜日

asahi shohyo 書評

めぐり逢(あ)った作家たち [著]伊吹和子

[掲載]2009年5月17日

  谷崎潤一郎の『新訳源氏物語』の原稿口述筆記を手がけ、中央公論社(現・中央公論新社)の編集者となった著者が、かかわった作家たちを回想。吉川英治の葬 儀に、故人の別荘からつみ取ってきた草花を持参した川端康成。ノーベル賞受賞を逃した夜、知人や報道陣に「ノーメル賞だ」と機嫌良く酒をふるまった井上 靖。夕食にデパートでカニを買って帰る小説の主人公は現実離れしている、と指摘され、著者に「あなたが言ってくれないから、あたし、買わせちゃったじゃな いの」ともらした有吉佐和子。著者との親密さをうかがわせる素顔の数々がなんとも魅力的だ。

表紙画像

潤一郎訳源氏物語 (巻1) (中公文庫)

著者:紫式部

出版社:中央公論新社   価格:¥ 960

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潤一郎訳源氏物語 (巻3) (中公文庫)

著者:紫式部

出版社:中央公論新社   価格:¥ 1,000

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