2009年5月14日木曜日

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「鷹」「碍」など追加して…新常用漢字試案へ一般意見

2009年5月14日1時6分

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 「新常用漢字表(仮称)」に関する試案に対して一般から寄せられた意見の内容が、13日の文化審議会国語分科会の漢字小委員会で報告された。追加してほ しいという意見があった字種は計302字。中でも東京都三鷹市などが要望する「鷹(たか)」と、「障害者」に代わって「障碍(がい)者」と表記できるよう に採用を求める「碍」の2字が際だって多かった。

 文化庁は4月16日まで1カ月間、試案に対する意見を募り、約220件が寄せられた。

 「鷹」の追加希望は22件。試案では使われ方が固有名詞中心という理由で外された。これに対して三鷹市は意見書で「鷹揚自若(おうようじじゃ く)」など23の熟語や格言を挙げ、伝統文化ともかかわりの深い漢字だとして追加を求めている。三鷹市は北海道鷹栖町や山形県白鷹町にも意見提出を呼びか けた。

 「碍」の追加希望は20件。「障害」は戦前は「障碍」などと書いたが、「碍」が当用漢字にならなかった戦後、「障害」への書きかえが定着した。し かし近年、「害」は負のイメージが強いとして、行政文書などで「障がい」と表記する自治体が相次いでいる。今回、まぜ書きは不自然で読みづらいので、本来 の「碍」を使えるようにすべきだという意見がみられた。

 「鷹」「碍」に次いで追加希望が多かったのは「睦(ぼく)」(9件)、「柿(かき)」「迂(う)」「哺(ほ)」(8件)など。191字の追加字種 候補では「鬱(うつ)」(11件)、「顎(あご)」(10件)、「聘(へい)」(9件)などを外すべきだとする意見が目立った。

 文化審はこうした意見を参考に試案を再検討し、今秋には修正案を公表して意見を再び募る。新常用漢字表は10年秋の内閣告示をめざす。

(編集委員・白石明彦)



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