2009年5月14日木曜日

asahi archeology history yayoi helmet Okayama

弥生のヘルメット 人頭かたどった土製品 岡山・総社

2009年5月14日19時0分

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写真:上原遺跡から出土した、人の頭をかたどった土製品の一部=14日午前、岡山県総社市、矢木隆晴撮影上原遺跡から出土した、人の頭をかたどった土製品の一部=14日午前、岡山県総社市、矢木隆晴撮影

地図:  

 岡山県総社市上原(かんばら)の上原遺跡から、弥生時代前期後半(紀元前3世紀ごろ)の人頭をかたどった土製品の一部が出土した。同市教委が14日発表 した。眉や鼻があり、現代人の頭とほぼ同じ大きさで、内部は空洞だった。市教委はヘルメットのようにかぶって祭礼などで使ったと推測。人面を表現した同時 期の土器などは過去にも例があるが、かぶる形の土製品は全国初とみられるという。

 JR総社駅の西約2.5キロの高梁(たかはし)川右岸で、茶褐色の素焼きの破片7点が出土。接合すると、頭頂部や額部分になった。表面には眉毛と 鼻が作られ鼻孔もあった。両まぶたには入れ墨とみられる3本の線が刻まれていた。額から後頭部にかけては鳥の羽根を模したような高さ2.5センチの突起が 伸びていた。突起を含めた高さは11.1センチ、幅17.6センチ、奥行き18.1センチ、厚さ6ミリ。

 市教委は、突起は「冠羽(かんう)」と呼ばれる羽根飾りと推測。「農耕儀礼や祭祀(さいし)の際に呪術師がかぶって踊ったのではないか。人の顔が写実的に造形され、弥生人の姿がモデルとなっている可能性がある」と話している。

 市教委によると、人の顔をかたどった土器は縄文時代以降、出土例がある。弥生時代では岡山市の田益田中(たますたなか)遺跡で97年に出土した弥生前期の人面土製品が土器か仮面とみられ、最古級とされてきた。

 出土した土製品などは14日〜6月4日に、総社市役所1階ロビーで展示する。(野勢伸一)



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