2009年5月22日金曜日

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スコセッシ監督、復元映画のデジタル化構想を発表

2009年5月21日20時22分

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写真:エドワード・ヤン監督作品の上映であいさつする妻の彭鎧立さんと長男、映画祭の芸術監督ティエリー・フレモー(写真左から)エドワード・ヤン監督作品の上映であいさつする妻の彭鎧立さんと長男、映画祭の芸術監督ティエリー・フレモー(写真左から)

 映画の保存・復元活動を支援する支援団体「ワールド・シネマ基金」の代表を務める映画監督のマーティン・スコセッシ監督がカンヌ映画祭で会見し、同基金を通じて復元された作品のデジタル化構想を発表した。

 基金はスコセッシの呼びかけで2年半前に発足。権利者がわからず散逸の危機にある「みなしご映画」の救出や、資金難や人材不足で映画保存がままならない 国々への支援など、幅広い活動に取り組む。スティーブン・フリアーズ、ウォン・カーウァイ、ウォルター・サレス、エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロス タミ、ビム・ベンダースら趣旨に賛同した世界の17人の監督もアドバイザーとして参加する。

 これまでに9本の映画を復元し、07年から毎年、カンヌのクラシック部門でプレミア上映してきた。

 「映画フィルムはデリケートなもの。最善の環境で保管しなければ劣化する。保存活動は時間との戦いだ」とスコセッシ。「カンヌなどの映画祭での上 映は大切だが、失われていく映画があることをより広く知ってもらいたい」と、復元作品をDVD化して販売し、インターネットのデジタル配信などにも取り組 む方針を明らかにした。

 今年のカンヌでは「ジャッカルの日」のフレッド・ジンネマンがメキシコで共同監督した「ザ・ウエーブ」(36年)、エジプト映画「アル・モニ ア」(69年)と、07年に死去したエドワード・ヤン監督の「クー嶺街(クー・リン・チェ、クーは牛へんに古)少年殺人事件」(91年、4時間版)、イン グマール・ベルイマン監督の製作風景をとらえたドキュメンタリーを上映。「クー嶺街少年殺人事件」の上映にはヤン監督の妻の彭鎧立(パン・カイ・リー)さ んも長男とともに出席し、映画芸術を次代に受け継ぐことの大切さを訴えた。



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