2009年5月1日金曜日

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「恐竜復元」に望み、化石からたんぱく質採取 米チーム

2009年5月1日15時4分

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 やはり、恐竜の化石からたんぱく質が採れた——。米ノースカロライナ州立大などの研究チームが再び成功したと、1日付の米科学誌サイエンスに発表した。05年に同じ研究チームが恐竜化石から細胞を採取したと発表して以来、可否が論争になっていた。

 今回の成果で、一定条件を満たせば、恐竜の細胞などが化石に残ることが確認されたことになり、映画「ジュラシック・パーク」のような「恐竜復元」に望みをつないだ。

 チームは07年に米モンタナ州で掘り出された約8千万年前のハドロサウルス類の化石を周囲の砂岩層とともに研究室に持ち込んだ。異物混入を防ぐ措置をして、骨の中に残っていた化石化していない細胞を化学処理で取り出した。

 その結果、ハドロサウルス類が鳥のコラーゲンと非常によく似たアミノ酸配列を持つコラーゲンを持つことがわかった。

 国立科学博物館の真鍋真研究主幹は「今回分かったアミノ酸情報は限定的なので、すぐには『恐竜のクローン復元』につながらない。しかし、化石からたんぱく質を取り出す方法を確立した意義は大きい」と話している。

 同チームが05年と07年に発表した成果は、約6800万年前のティラノサウルスの化石からの軟組織やたんぱく質の採取だが、研究者の間で懐疑論争が続いている。(松尾一郎)



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