S・モームもスパイ 英「MI6」正史、極秘情報公開
2010年9月23日
【ロンドン=土佐茂生】映画「007」シリーズの主役ジェームズ・ボンドの所属先として知られる英国の情報機関「対外情報部(MI6)」の正史をまとめた 本が、初めて出版された。「月と六ペンス」などを残した英国の有名作家サマセット・モームらがスパイの一員だったことも明らかになった。
正史をまとめたのは、クイーンズ大(ベルファスト)のキース・ジェフリー教授(歴史学)。「MI6の理解を深めてもらう」ことを目的に、スカーレット前長官が1909年の創設から40年間分の極秘文書の閲覧を特別に許可。ジェフリー教授が810ページにまとめた。
英メディアによると、映画「第三の男」の原作者グレアム・グリーンや児童作家アーサー・ランサムらもMI6に所属していた。007の原作者イアン・フレミングの友人でパリにいた人物が、ジェームズ・ボンドの実際のモデルだったという。
またMI6は、ナチス幹部暗殺計画や、第2次大戦後に多くのユダヤ人難民がパレスチナに向かうのを防ぐためイタリアの港で船を爆破するなどの活動をしていたという。
ジェフリー教授は「本物のジェームズ・ボンドたちは、小説のボンドより、いっそう興味深いスパイだった」と英メディアに話している。
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