2010年10月15日金曜日

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縄文前期の人骨新たに60体発掘 富山の小竹貝塚

2010年10月15日9時11分

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 6千〜5500年前の貝塚から縄文時代前期の人骨13体が見つかった富山市呉羽町北の小竹(おだけ)貝塚で、新たに60体前後の人骨が確認された。富山 県文化振興財団埋蔵文化財調査事務所(富山市)は出土人骨が七十数体にのぼるとみている。縄文前期の人骨が1カ所でこれだけ大量に確認された例はなく、専 門家は「人骨の状態もよく、国内有数の貝塚だ」と高く評価している。

 小竹貝塚は日本海側で最大級の貝塚として知られる。北陸新幹線の工事に伴い、今年度約1千平方メートルを調査した。

 6月時点で確認した縄文人骨は13体と発表したが、その後の調査でさらに、東西約120メートル、南北約8メートルの調査区域の西半分を中心に計60体ほどが相次いで見つかった。

 専門家によると、縄文前期の貝塚で人骨が出土した例は、岡山市の彦崎貝塚で破片も含めて約40体あるが、ほかの貝塚では数体程度が多い。骨の状態ももろ かったり、体の一部だけだったりしている。小竹貝塚で出土した骨は頭部から足までがそろっているものも多く、骨も硬くて状態がよいのが特徴だ。貝塚に泥炭 層が重なり、密封された状態だったためとみられる。

 縄文時代の埋葬に詳しい島根大学法文学部の山田康弘教授(先史学)は「縄文前期の貝塚としては最大級の出土量。骨の状態がよいため、分析で得られる大量の情報も期待できる」と評価する。

 同調査事務所は、国立科学博物館(東京都)に人骨を順次送り、鑑定を依頼する。同博物館では専門家チームをつくり、個体の病歴や何を主食としていたかなど、3年程度かけて詳細に調べる方針だ。(天野彰人)





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