月の輝き、本当に「銀」だった NASA探査機が観測
木星探査機ガリレオが1992年に撮影した月=米航空宇宙局ジェット推進研究所提供
【ワシントン=勝田敏彦】「銀色」と形容されることが多い月や月の光だが、月の表面には、本当に銀が含まれているらしい。米航空宇宙局(NASA)の無 人月探査機ルナ・リコネサンス・オービター(LRO)の観測で新たな手がかりが見つかり、22日発行の米科学誌サイエンスに論文が掲載された。
LROは昨年10月、月の上空を周回しながら、別の探査機LCROSS(エルクロス)から分離したロケットが、月の南極に近いクレーター・カベウスに衝 突した様子を観測。舞い上がった土砂や蒸気から、メタンなどの揮発性化合物のほか、銀やナトリウム、水銀など金属の存在を示す特徴的な波長の光が出ている のを見つけた。
銀は、米国のアポロ宇宙船が月から持ち帰った石からもごく微量検出されているが、より確実になった。
チームのピーター・シュルツ・米ブラウン大教授は「衝突した地点は、元素や化合物の宝庫のようだ。ただ(銀の量は少なく)銀山にはなりそうもない」と話す。
エルクロスが体当たりした地点の土砂では、まとまった量の氷も見つかっている。今号のサイエンスには土砂に含まれる氷の割合が約6%に達するとの論文も掲載された。
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