神社の本殿—建築にみる神の空間 [著]三浦正幸
[文]朝日新聞社広告局 [掲載]2013年02月20日
■秘められた謎を解き明かす
日本人にとって神社は、とても身近な存在である。有名な観光地になっている大きな神社から村の鎮守、果ては道端でも見かける祠(ほこら)まで、近代的な町の景観に溶け込み、ごく自然にそこに存在し続けている。
神社を訪れる機会は多い。初詣にお祭り、七五三や結婚式、はやりのパワースポット巡り、祈願成就のお礼参り等々、気がつけば何度も神社へお参りし本殿の前 で手を合わせる。しかし、本殿の奥深くまで入る機会はほとんどなく、中がどうなっているのかを詳しく知る人はいないのではないだろうか。そもそも本殿と は、何のために建てられてきたのか。大神(おおみわ)神社や諏訪大社上社など、なかには神社創始時からの古式を守り、現在でも本殿がないところもある。で はいつごろから建てられるようになったのか。
本書は城郭研究でも知られる著者が、意外にも簡素な本殿内部や、御神体と思われがちな鏡、本殿が寺 院本堂とは異質の建築物だったことなどをわかりやすく解説。社格や祭神、神社建築の基本構造をふまえつつ、意匠の豊富な事例を、見取り図を駆使しながら読 み解いていく。一読して神社を眺めれば、また違った姿が見えてくるにちがいない。
この記事に関する関連書籍
著者:三浦正幸/ 出版社:吉川弘文館/ 価格:¥1,890/ 発売時期: 2013年01月
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