八戸産の紙、験がいい? ベストセラー本に採用次々
[文]鵜沼照都 [掲載]2013年02月25日
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Q 次のベストセラーに共通するのは何か。「ジェノサイド」高野和明(角川書店)、「舟を編む」三浦しをん(光文社)、「ライアの祈り」森沢明夫(小学館)、「1Q84」村上春樹(新潮社文庫)、「金持ちになる男、貧乏になる男」スティーブ・シーボルド……。
実はこれらの書籍はすべて、八戸市にある三菱製紙八戸工場で製造された紙を使っている。そんな書籍を集めたブックフェアが25日から八戸市の「はっち」1階のカネイリ・ミュージアム・ショップで始まる。
地元出身作家を集めたり、地元題材の本を集めたりする「ご当地本フェア」は珍しくないが、「地場産紙をテーマにしたフェアは全国的にも例がないのでは」と 企画した金入健雄・金入副社長。「八戸は工場の街。工場にはマイナスのイメージを持つ人もいるが、八戸の日常の1コマには工場の存在がある。東日本大震災 では臨海地帯の工場の多くが被災したが、その力強い復興の様子に元気づけられた市民も多い」
その一方で、工場でどんな生産が行われているか知らない人も多い。「フェアでは、そんな工場の姿を紹介することで、市民に知ってもらい、自分たちの街に愛着や誇りを持つきっかけになれば」と狙いを語る。
河原木地区にある三菱製紙八戸工場は、震災で最大で8・4メートルの津波に襲われた。2カ月半の操業停止に追い込まれ、250億円の被害が出た。フェアで は、同工場提供による津波直後の工場内の写真のほか、地元で工場の写真撮影を趣味にしている「八戸工場撮影ファンクラブ」メンバーによる同工場をテーマに した芸術的写真も並ぶ。
「三菱製紙八戸工場でつくられた本フェア〜工場ファン撮影写真ミニパネル展と共に〜」は3月4日まで。問い合わせは金入(0178・28・2871)。
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