2010年7月3日土曜日

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弥生土器に赤いシカ ベンガラ彩色、国内初出土 愛知

2010年7月2日0時46分

写真:赤い顔料でシカが描かれた土器赤い顔料でシカが描かれた土器

 赤い顔料「ベンガラ」でシカを描いた弥生時代の土器が、愛知県稲沢市の「一色青海(いっしきあおかい)遺跡」から見つかった。県埋蔵文化財センターが1 日、発表した。弥生時代中期(紀元前100年前後)のものとみられ、ベンガラを使った弥生時代の絵画土器の発見は日本初だという。

 見つかった土器は筒形で、直径5.2センチ、高さ9センチ。丸底とみられるが、底と口縁部分を含めて約半分が欠けた状態で、ごみ捨て用とみられる穴から 見つかった。儀式や祭りのために使われた可能性が高い。シカは頭を同じ方向に向け、縦に6頭が並ぶ形で描かれている。

 センターによると、ヘラのような道具で線を引いて下書きをした後、筆状の道具で顔料を塗り、焼いたとみられる。顔料は現在も使われているベンガラで、地 下水に含まれる鉄分を精製して作った可能性が高いという。

 シカなどの姿を線で刻んで描いた弥生時代の線刻土器は全国で600例ほどあるが、顔料を塗ったものは福岡県筑前町の大木遺跡で見つかった甕(かめ)棺に 描かれた黒色のシカの絵だけだった。センターは、今回の土器は線が浅く描かれていることから、色を塗ることを前提に描かれたとみている。(小林恵士)






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