被災者7万人、イタリア地震 続く余震、車中で一夜
避難所となった陸上競技場で6日、温かいパスタの炊き出しに並ぶ被災者たち=ラクイラ、南島写す
倒壊した大学の学生寮で6日、生き埋めになった学生を救出するためバケツリレーでがれきを運ぶレスキュー隊員ら=ラクイラ、南島写す
【ラクイラ(イタリア中部)=南島信也】イタリア中部を襲った地震で、家を失ったり、家が倒壊する危険性があるため戻れなかったりする被災者が、ラクイ ラを中心に約7万人に達している。仮設テントに入れた人はわずかで、多くの被災者が6日夜、余震が続く中、車中泊や野宿をして一夜を過ごした。
避難所になっているラクイラ中心部の陸上競技場には数千人の被災者が集まった。用意された温かいパスタやサラダ、チーズに行列を作った被災者は 「ようやく食事にありつける」。疲れ切った表情に少し明るさが戻った。ミネラルウオーターやパンなどの支援物資を持ったボランティアの人たちも、イタリア 全土から続々とラクイラ入りした。
深刻なのが、被災者の寝場所だ。同競技場には十数張りの大型仮設テントが張られたが、全く数が足りない。車中で過ごす人たちの車で道路はあふれか えっている。ある男性は「何もかもなくした。今は何も考えられない」と座り込んで頭を抱えた。電気、ガス、水道などのライフラインがすべて止まり、夜にな ると街全体が暗闇に包まれた。
野宿を余儀なくされた人たちも多い。6日夕には激しい雨が降って冷え込んだが、「家が崩壊する恐怖におびえるよりも、野宿の方がまだましだ」と話す被災者もいた。
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