やってはいけない筋トレ　いくら腹筋を頑張ってもお腹は割れません　[著]坂詰真二

[文]朝日新聞社広告局　 [掲載]2012年06月20日

■確実に成果を出す筋トレについて科学的視点に基づいて解説する

　まずタイトルが挑発的である。ページをめくれば、「この動作は実際には筋トレになっていません」など、筋トレを実践している人をドキリとさせる言葉にお目にかかる。しかし著者の主張は首尾一貫している。要は、筋肉の特徴や体についての正しい知識に基づいて、少ない労力で最大の効果が得られる「効率的な筋トレ」とは何か、具体的に説いているのである。
　読者のなかには思うように効果が出ないと悩んだり、お腹（なか）をひっこめるためにまず何から始めればよいか思案中の人もいるだろう。著者が推奨するのは、ピンポイントで効率よく鍛えられる「単関節エクササイズ」だ。しかも、部位別筋トレを説きつつ、全身まんべんなく鍛える方法をすすめる。何といっても科学的な理由に基づく提案を評価したい。自分の筋肉のくせを知った上で筋トレを成功に導くコツも分かりやすい。自宅で、あるいはジムで実際におこなうべき種目が写真入りで掲載されている点もありがたい。この機会にこれまでの筋トレを見直し、新たな気持ちで本書のプログラムを実践したいものである。