2012年6月7日木曜日

asahi science physics neutrino

ニュートリノに重さの証拠 東大などが発表


 素粒子ニュートリノに重さ(質量)がある証拠を、東大などと名古屋大などの2グループが従来に比べて直接的で確実な方法で確かめ、5日、京都市で開かれ ているニュートリノ・宇宙物理国際会議で発表した。 ニュートリノには「電子型」「ミュー型」「タウ型」の3種類がある。一つの型が飛んでいる間に別の型 に変身する「ニュートリノ振動」という現象が起これば、これらに質量がある証拠とされてきた。

 東大、高エネルギー加速器研究機構などは国内で、名古屋大などは欧州で、ニュートリノを数百キロ離れた場所に飛ばし、別の型のニュートリノに変わることをそれぞれ確認した。変身後のニュートリノを東大は10個、名古屋大は2個捕まえた。

 東大などの国際グループは1998年、大気から届くニュートリノの観測をもとに、ニュートリノ振動を突きとめた。ただ、それは一つの型が想定よりも少な い事実を踏まえ、「変身して減ったため」と結論づけていた。以来、一つの型が別の型に変身したところまで見届ける「出現実験」の成果が待たれてきた。(鍛 治信太郎)



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