2010年4月14日水曜日

asahi science biology Greece biseibutsu oxygen sanso

まるで地球外生命? 酸素なしで生きる多細胞の動物発見

2010年4月14日1時11分

写真:酸素なしで生きる胴甲動物の顕微鏡写真。染色してあり、左下の横棒の長さは20分の1ミリ(BMCバイオロジー誌から)酸素なしで生きる胴甲動物の顕微鏡写真。染色してあり、左下の横棒の長さは20分の1ミリ(BMCバイオロジー誌から)

 【ワシントン=勝田敏彦】ギリシャ・クレタ島に近い地中海の海底の堆積(たいせき)物から、酸素なしで生きる動物が見つかった。一部の細菌など単細胞生 物が、酸素なしで生きることは知られているが、多細胞の動物は初めて。イタリアとデンマークの研究チームが英オンライン生物誌BMCバイオロジーに発表し た。

 チームが調査した堆積物は、塩分濃度が特に高い水がたまったところの下にあり、普通の海水との接触がなく酸素が全く含まれない。だが、この10年 間で3回調査した結果、軟らかい体を硬い殻のようなもので包む1ミリ以下の小動物(胴甲動物)3種類が生きていることがわかった。

 これらは、堆積物の中で一生を過ごしており、酸素なしでも生活のためにエネルギーを得る機能を進化させているらしい。

 英テレグラフ紙(電子版)は今回の発見について「(酸素がない)地球以外の惑星に、生命が存在する可能性を調べるのに役立つかもしれない」との専門家の見方を紹介している。




0 件のコメント: