2008年9月16日火曜日

asahi shohyo 書評

なぜ君は絶望と闘えたのか [著]門田隆将

[掲載]2008年9月7日

 山口県光市で99年に起きた母子殺害事件で、妻と娘を奪われた本村洋さん。報道によって有名な犯罪被害者となったこの青年の、今年4月の死刑判決までの約9年間の闘いと苦悩の日々を追った一冊だ。

 何度も自殺を考えたことや、犯罪被害者が直面する様々な理不尽さなど、日々の報道が伝えない事実の数々。「死刑があるからこそ、Fは罪と向き合うことができる」という本村さんの言葉、そしてエピローグにある判決後の被告の「告白」に、深く考えさせられる。

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なぜ君は絶望と闘えたのか

著者:門田 隆将

出版社:新潮社   価格:¥ 1,365

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