ネアンデルタール人の脳、成長速度ヒト級 東大など解明
ネアンデルタール人の復元骨格画像。生後1週目(左)と同19カ月目=米科学アカデミー紀要提供
現代のヒト(ホモ・サピエンス)に最も近い人類で約3万年前に絶滅したネアンデルタール人は、新生児から大人になるまでの脳の成長スピードがヒトとほぼ 同じだった。東京大とスイスのチューリヒ大などが、化石をもとにコンピューターで骨格を復元してわかった。米科学アカデミー紀要(電子版)に発表された。
研究チームは、90年代にロシアやシリアで見つかったネアンデルタール人の子どもの化石3体をもとに、脳の大きさを推定、生後2年で成人の70%程度の 脳の大きさに急成長すると結論づけた。ネアンデルタール人は十数万年前に出現し、主に欧州で暮らしていた。ヒトと共存していた時期もあるが、片方だけが絶 滅した理由はわかっていない。
研究チームの近藤修・東京大准教授(人類学)は「脳の成長パターンが同じなのに一方が滅びたのは、学習能力や学んだことを次世代に伝える言語能力などに差があったのかもしれない」と話している。(鈴木彩子)
0 件のコメント:
コメントを投稿