《８０后（バーリンホウ）・９０后（ジョウリンホウ）》中国ネット世代の実態　[著]Ｔｏｋｙｏ　Ｐａｎｄａ

[文]朝日新聞社広告局　 [掲載]2013年06月19日

■日中の懸け橋役として活躍するカリスマブロガーの語る新中国

　日中関係がぎくしゃくしている今こそ、多くの人に本書を勧めたい。著者は中国語で書いたブログが、中国の若い世代を中心に支持を集めているカリスマ・ブロガーでもある。今の中国を知り、正確に理解することこそが日中のコミュニケーション推進につながると宣言するだけあって、中国の若者が何を考え、どこに向かおうとしているのか、偏見のない視点で「リアル中国」を紹介する本書の価値は高い。
　題名にある「８０后・９０后」は、８０年代、９０年代生まれという意味だ。著者によれば、この世代は情報のキャッチ能力に秀でている。日本では不人気だったカシオの「自撮り」カメラが、中国版ツイッターで人気となり予約が殺到した例や、中国人女性が青森県を紹介する動画が中国で１６００万アクセスを超えた例もある。要は洞察力、そしてコミュニケーションの勘所を外さないことが重要なのだ。日本企業が見るべき本当のボリュームゾーンの分析、従来の中国観では通用しないネット・データも参考になる。
　そして、インターネット時代だからこそ、一人ひとりが日々、日中友好活動に携わることができるという言葉にも励まされる。