革新幻想の戦後史 [著]竹内洋
[掲載]2011年12月18日 [ジャンル]歴史
1970年代までのキャンパスは、「左翼でなければインテリにあらず」という革新幻想が支配していた。そんな空気に違和感を抱いてきた42年生まれの著者が自分史とともに過去を見つめ直す。
敗戦感情には「過ちを繰り返さない」「悔恨共同体」だけでなく、「こんどこそはうまくやろう」という「無念共同体」もあったはずなのに隠されてしまったと 指摘する。55年の「六全協」による共産党神話の崩壊により、政党と無関係な「市民派サヨク」の居場所ができたという。
東大教育学部における「進歩的教育学者」と教育社会学者の対立、小田実の変遷など、紹介される事例は興味深い。
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中央公論新社・2940円
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