約300枚の絵はがきでたどる「なつかしの松江」
[文]斉藤智子 [掲載]2012年08月15日
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島根県松江市天神町で美術用品店を営む今岡弘延さん(57)が「なつかしの松江 明治・大正・昭和初期絵葉書コレクション」を出版した。明治末から昭和初めに販売された写真絵はがき約300枚を通して、松江の風景をたどっている。
表紙は、店の前身「今岡商店」が絵はがきを販売している様子を写した1907(明治40)年発行の絵はがき。国の許可を得て絵はがきを作り販売していた。
絵はがきは店の倉庫で見つかり、数度の整理で約3千点を確認した。写真のネガにあたるガラス乾板もあった。復刻絵はがきを販売したことで、県商工会連合会の助成を受けて、島根大学の地域連携拠点「島根大白潟サロン」が約2千点をデジタル保存した。
「松江絵葉書ミュージアム」(http://matsue-ehagaki.com/index.html)で公開しているが出版の要望もあり、時代背景の説明と当時の市街地図を付けて出版した。
撮影年や場所が不明なものは、研究者や古老を訪ねて調べた。市民の評判が悪かったという三角形の骨組みを組み合わせた「トラス構造」の松江大橋を写した1枚(06〜11年撮影)の角度は、小泉八雲が滞在した屋敷の2階から見たものとほぼ同じだった。
宍道湖畔を走る蒸気機関車と自転車とポーズをとる男性(09〜12年撮影)は「最速の交通手段が代わった時期。思いを込めて一緒に写したのではないか」と今岡さんは推測する。出版はワン・ライン、A4判210ページ、6870円。
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