2013年9月5日木曜日

asahi shohyo 書評

ありそうでなかった軍艦島入門書 音楽家が出版

[文]斎藤靖史  [掲載]2013年08月30日

表紙画像 著者:黒沢永紀  出版社:実業之日本社 価格:¥ 1,890

 東京都在住の音楽家、黒沢永紀(ひさき)さん(52)の著作「軍艦島入門」(実業之日本社)が今月、出版された。「軍艦島を手軽に知ってもらうきっかけに」と、写真や図面を多用して島の魅力を解説している。
 黒沢さんは映像や音楽、写真などで軍艦島の作品化に取り組んでいる「オープロジェクト」の一員。2001年に初めて島に足を踏み入れて以来、島を紹介するDVDや写真集の制作に携わってきた。
  「どういう島なのか調べだしたら、見た目以上に面白かった」と黒沢さん。これまであまり出版されてこなかった軍艦島の入門書を作ろうと計画。世界最高の人 口密度など島の生活環境をまとめた「軍艦島 驚きの暮らし」、日本最古の鉄筋コンクリート造りのアパートなどを取り上げた「軍艦島のすごい建物」など、 テーマに沿って7章にまとめた。
 黒沢さんらプロジェクトのメンバーは29日、長崎市役所を訪れ、田上富久市長に新著を手渡した。田上市長は「色々な視点から、概要が分かりやすく書いてある」と話した。
 「見た目以上に、わくわくする面白い歴史のある島。ゼロから知る時の入門書になっている」と黒沢さん。全160ページ、定価1890円(税込み)。
     ◇
  〈軍艦島〉 正式名は端島(はしま)。長崎港の南西約19キロにある周囲約1・2キロの島。高層住宅群が立ち並ぶ島影から、軍艦島と呼ばれるようになっ た。明治時代から海底炭鉱で栄え、1916年には国内初の鉄筋コンクリートの集合住宅が造られた。最盛期は5千人以上が住んでいたが、74年の閉山後、無 人島になった。世界遺産への登録をめざす「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」の構成資産の一つで、27日、内閣官房の有識者会議が推薦候補 に選んだ。

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軍艦島入門

著者:黒沢永紀/ 出版社:実業之日本社/ 価格:¥1,890/ 発売時期: 2013年08月

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