今日から使える大人の男のオシャレ塾 [編]主婦の友社
[文]永江朗 [掲載]2013年02月01日
■ファッションの基本につまずく
大阪・梅田のデパート戦争は阪急の圧勝だそうだ。鳴り物入りで参入した三越伊勢丹はパッとしない。
阪急圧勝の立役者のひとつが、男性向けファッションに特化したメンズ館だ。メンズ館は東京・有楽町にもあるけれども、梅田店のにぎわいぶりは凄まじい。
阪急メンズ館にはスタイルメイキングクラブという会員制のサービスがある。専属スタイリストがアドバイスやコーディネートをしてくれる。なんならワード ローブを見て、手持ちの服の仕分けだって、というサービスである。入会金は3、000円だ。そのメンズ館が監修したファッション指南書が『今日から使える 大人の男のオシャレ塾』である。ぼくは今年55歳になるのだが、毎日、何を着るかで悩む。若者と同じかっこうはできないけれど、かといっていかにもシニア 向けというのも躊躇する。
というわけで、大いに期待して本書を手にした。「男性ファッションの『そもそもどうしたらいいのか?』がわかる」と書いてあるし。で、どうだったか?
…… ますますわからなくなりました。まずいきなり最初のほうに「色の基本を知り、コーディネートに生かそう」とあって、色相環やらトーン表やらが載っているの だ。色合わせと色の濃淡がコーディネートの生命線なのだそうだが、彩度だの明度だのめんどうくさそう。似たような色で組み合わせろということらしいのだ が。
パート1は「定番アイテムをそろえて、まずはコーディネートの基本をマスターする」というのだが、定番アイテムが12もある。そろえるお金と時間と労力を考えると気が遠くなりそうだ。パート3の「オシャレ度アップの活躍アイテム」は、はるかかなた。
うーん、まてよ。この本2冊分のお金でスタイルメイキングクラブに入れるではないか。ここに書いてあるようなことは教えてくれるはずだ。本を読むより入会しよう、と思わせるのがこの本の目的なのか?
0 件のコメント:
コメントを投稿