2013年1月29日火曜日

asahi shohyo 書評

快楽上等! [著]上野千鶴子・湯山玲子

[文]吉川明子  [掲載]2013年02月01日

表紙画像 著者:上野千鶴子、湯山玲子  出版社:幻冬舎 価格:¥ 1,575

 フェミニズム界随一の論客とカルチャーに精通した二人の対談集。パワフルでエネルギッシュ、自由や快楽に貪欲であろうとする二人。3・11を皮切 りに、お互いの家庭環境や少女時代、親子関係、仕事、恋愛、結婚、セックス、加齢と話が広がるにつれ、「実は似た者同士」ということが明らかになり、トー クは加速度を増す。
 「フェミニズム」というだけで、及び腰になるかもしれないが、そんな理由で本書をパスするのはもったいない。周囲の空気を読む同調圧力に苛まれ、閉塞感に満ちた現状を打破するヒントに満ちているからだ。そこに性差はない。
  「予測誤差があるほど、快楽は強くなる」と話す二人。予定調和であれば、手痛い失敗は回避できるかもしれない。しかし、未知への好奇心の少し先にこそ、ス テキな予測誤差があり、自由や快楽、生きていて良かったという実感があるという。感覚を遮断せずに受け入れ、向き合うことでしか得られない何かを、リアル につかみたくなる。そして何と言っても予測誤差の連続である、二人の対話が小気味よい。

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著者:上野千鶴子、湯山玲子/ 出版社:幻冬舎/ 価格:¥1,575/ 発売時期: 2012年10月

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