2010年5月15日土曜日

asahi science archeology biology fossil shinkaihibarigai Hokkaido

シンカイヒバリガイ新種の化石発見

2010年05月12日

写真

新種のシンカイヒバリガイの化石=天野和孝・上越教育大教授提供

 北海道浦幌町の河川脇で、深海にすんでいたシンカイヒバリガイ(貝)の新種の化石を発見したと、上越教育大学(上越市)の天野和孝教授(古生物 学)が11日発表した。シンカイヒバリガイ類では日本最古、世界で2番目に古い化石だという。天野教授は「沿岸にすむヒバリガイが深海域に適応していった 進化の過程を解明する上で重要な資料」と話す。

 日本では2種類目のシンカイヒバリガイ類の化石で、地層などから約3千万年前のものと推定されるという。計94個見つかり、最も大きな貝 の長さは4・5センチだった。

 シンカイヒバリガイは光が届かない深海にすみ、体内に共生するバクテリアから栄養をもらっている。化石が出土したのは、メタンガスを含む わき水が出ていた海底とみられ、バクテリアがメタンガスなどから栄養分をつくり出していたという。
 現在生息しているシンカイヒバリガイ類は世界で約20種知られるが、見つかった化石は絶滅種とみられる。発見成果は、6月10日から茨城県つくば市で開 かれる日本古生物学会年会で報告する。(遠藤雄二)





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