2013年2月21日木曜日

asahi shohyo 書評

エロス、女だって語りたい SNSが「本音」解放

[文]江戸川夏樹、佐藤美鈴  [掲載]2013年02月21日

表紙画像 著者:蛭田亜紗子  出版社:新潮社 価格:¥ 515

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 女性が「性」を真剣に見つめ始めている。タブー視される傾向にあった女性のためのエロスが、ネットや書籍で本音で語られるようになってきた。背景を探った。
■文学賞が活況
 新潮社の女性編集者によって2002年にスタートした公募新人賞「女による女のためのR—18文学賞」。第12回の今年度は前回より約100作多い、821の応募作が集まった。
 今月2日には、過去の受賞作を映画化した「自縄自縛の私」(竹中直人監督)が公開された。認知度も年々高まっており、応募者も中学生から80代までと幅広い。事務局の西麻沙子さんは「官能や性のタブーが薄まり、生活や風景の一つになった」という。
 エロスが秘め事ではなくなってきたのはなぜか。「本音を語りやすい社会になったからだと思います」と週刊誌an・an(マガジンハウス)の熊井昌広編集長は分析する。
 an・anは毎年1回、20年以上、セックス特集を企画してきた。昨年は歴代2位、通常の4倍となる80万部を売り上げた。
  「ツイッターやブログ、SNSで女性の社会的発信力が強まっている。そこで語りたいのは『本音』。本音と建前の象徴ともいえるエロスに注目が集まるのは自 然の流れです」 長年タブー視されてきただけに根強い抵抗感もある。「ただ、男性には許されてきたエロスを、女性も楽しんでいるというだけ。男女間のバラ ンスがよくなるのはいいことではないでしょうか」

この記事に関する関連書籍

自縄自縛の私

著者:蛭田亜紗子/ 出版社:新潮社/ 価格:¥515/ 発売時期: 2012年11月

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