缶詰レシピ本続々 常備できる「旬」の食材
[文]山田佳奈 [掲載]2013年03月30日
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手軽に使え、旬の栄養が味わえる。常温保存できて非常食にもぴったり。そんな缶詰が、近ごろ見直されています。「缶詰を使った薬膳」を提案する池田陽子さんにおすすめレシピを聞きました。
池田さんは10年前、出版社で編集の仕事をしていた。徹夜もざらで、深夜に高カロリーの弁当を食べることもよくあった。30代に入り、肌荒れに悩まされるようになった。
肌トラブルには青魚がいいといわれるが、スーパーが開いている時間になんて帰れない。仕事帰りに寄ったコンビニで目にとまったのが、缶詰だった。「サバもサンマもある。おろす手間もいらない。これだと思いました」
体にいい一品を、缶詰を使ってつくれないか。国立北京中医薬大日本校(東京)で薬膳を学んだ池田さんは思いついた。
栄養のバランスや塩分を考えて、イワシやサンマ、ホタテの缶詰に、野菜や海藻を組み合わせて料理した。それも、あえたり温めたりするだけ。「継続すれば、からだはこたえてくれます」
缶詰は、栄養価の高い旬の時期にとれた食材を使うことが多い。「例えばサバの水煮。食材を缶に詰めてから加熱しているので栄養が逃げないし、骨ごと食べら れるので、切り身を調理した時よりカルシウムが20倍以上多く含まれるんです」。国内外の缶詰を食べ比べ、「缶詰博士」と呼ばれる黒川勇人さんはいう。
マルハニチロ(東京都江東区)によると、缶詰市場は2010年度まで微減傾向だった。だが、東日本大震災で非常食として見直され、同社の缶詰の売り上げは、11年度は前年度比9%増だ。
「缶詰を使った料理を教えて」という問い合わせも多く、社員おすすめのレシピなどを集めて「缶たしレシピ88」(扶桑社)を出した。
マルハニチロのインターネット調査(12年夏)によると、非常食を備蓄していると答えたのは千人のうち509人。この中で82・3%の人が備えている非常食に缶詰を挙げた。
宮原通雄・缶詰課長は「買い物が大変なお年寄りも重宝するはず。日ごろ使い、非常時にも備えて下さい」と話す。
■「薬膳」3品に挑戦
記者も池田さんの著書「缶詰deゆる薬膳。」(宝島社)を見て、3品つくってみました。(いずれも2人前)
<アサリと春菊のスープ>
(1)鍋にアサリ水煮缶(65グラム)を汁ごと入れ、水600ccを足して熱する。煮立ったら春菊2分の1束を加える(2)火が通ったらしょうゆ、塩、コショウ各少々で味を調え、白すりゴマを振る。
<カレー風味サンマのチンゲンサイ添え>
(1)フライパンにオリーブ油を熱し、缶汁を切ったサンマ味付け缶(しょうゆ味)のサンマ(100グラム)を焼く。カレー粉少々を振る(2)ゆでたチンゲンサイを添えて器に盛る。
<マンゴーのお豆腐パンナコッタ>
(1)器に豆腐2分の1丁を盛り、缶詰のマンゴー3切れを食べやすく切ってのせる(2)ハチミツ大さじ1と生クリーム10cc、缶汁大さじ1を混ぜ合わせてかける。
この記事に関する関連書籍
著者:マルハニチロ食品缶たし部/ 出版社:扶桑社/ 価格:¥900/ 発売時期: 2012年11月
缶詰deゆる薬膳。 カンタン! パカッとあけてヘルシー&キレイ
著者:池田陽子/ 出版社:宝島社/ 価格:¥1,260/ 発売時期: 2012年06月
著者:野崎洋光/ 出版社:東洋経済新報社/ 価格:¥1,365/ 発売時期: 2012年06月
著者:黒川勇人、岩本竜典、細野健/ 出版社:ビーナイス/ 価格:¥998/ 発売時期: 2012年04月
著者:黒川勇人/ 出版社:辰巳出版/ 価格:¥1,050/ 発売時期: 2011年09月
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