2013年4月23日火曜日

asahi shohyo 書評

「AV男優」という職業 [著]水野スミレ

[文]吉川明子  [掲載]2013年04月26日

表紙画像 著者:水野スミレ  出版社:角川書店 価格:¥ 1,260

 この世にAV(アダルトビデオ)が登場してから30年。年間売り上げが約550億円、出演する現役AV女優は推定1万人。それを陰で支えるAV男優はわずか70人という。
 こんな書き出しから始まる本書。カメラの前でセックスするのがAV男優の仕事だ。いろんな女性とセックスができ、お金も稼げる。それは本当に夢のような仕事なのだろうか。
  監督の意図を汲み、女優に気を配り、求められるタイミングで勃起し、長時間持続させるセックス・サイボーグ。本書に「AV男優たちが満足させるべき相手は 女優以上に、自分以上に、視聴者である」とあるように、おいしい仕事とは到底思えない。そんな彼らが、AV男優になった経緯や仕事観などを率直に語る。
  経験人数が推定5000人以上という彼らにとってセックスとは? 「生活の糧(笑)」「心を求めるつながり」「男女間でできる最大のコミュニケーション」 「ホントは秘めごと」──。彼らは決してサイボーグではない。特殊な環境に身を置いたことで、常人が知り得ない何かを達観した、生身の男性たちだった。

この記事に関する関連書籍

「AV男優」という職業 セックス・サイボーグたちの真実

著者:水野スミレ/ 出版社:角川書店/ 価格:¥1,260/ 発売時期: 2013年02月

☆☆☆☆☆ マイ本棚登録(1 レビュー(0 書評・記事 (1

0 件のコメント: