現代のペスト菌、中世の「黒死病」菌と酷似 DNA調査
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中世ヨーロッパで大流行したペスト菌のDNAが、アフリカなどに現在も広がるペスト菌と非常に似ていることがわかった。独加米の研究チームが、英科学誌ネイチャーで発表した。
研究チームは、1348〜50年ごろのペスト犠牲者が埋葬された英ロンドンの墓地の4遺体の歯髄から、ペスト菌に特有のDNAを検出。遺伝情報を調べる と、感染症を起こす遺伝子は、660年経った現在の菌との違いがほとんどなかったという。当時ほど感染が広がらないのは、気候や社会環境の変化のせいでは ないか、と推定している。
14世紀半ばに流行したペストは、黒い発疹ができることから「黒死病」とも呼ばれ、5年間でヨーロッパの全人口の30〜50%が死亡したともいわれる。 日本では1926年以降、感染者は出ていないが、厚生労働省検疫所によると、2004〜09年にアフリカやアジア、アメリカの16カ国で1万2503人の 患者が確認され、843人が死亡している。(下司佳代子)
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