宇宙の「暗さ」、世界初の計測成功 名大・東大グループ
|
真っ暗な宇宙空間の平均的な「暗さ」はどのくらいなのか——。名古屋大と東京大の共同研究グループが、世界で初めてその計測に成功した、と6日発表した。研究成果は、14日付の米科学雑誌「アストロフィジカル・ジャーナル」の電子版に掲載される。
名古屋大大学院理学研究科の松岡良樹特任助教によると、太陽系を含む「天の川銀河」の外で宇宙空間を見た場合、その明るさは「真っ暗な東京ディズニーラ ンドの敷地にろうそくの火を3本ともした程度」。地球上でふだん見上げている夜空は、大気そのものが放つ光や、宇宙のちりによって拡散された太陽光や天の 川銀河の星の光によって千〜1万倍明るくなっているという。
研究グループは、米航空宇宙局(NASA)が1972〜73年に打ち上げた惑星探査機「パイオニア10・11号」が測定した明るさのデータを利用。太陽 から地球までの距離の3.3倍を超える場所は太陽光の影響を受けないことから、その数値を基に、さらに天の川銀河の星やちりが発する光の量を取り除いた。
その数値は、現在望遠鏡で観測できるすべての銀河からの光の量の合計とほぼ同じだったことから、松岡特任助教は「これが宇宙の明るさであることが証明された」と述べた。(河原田慎一)
0 件のコメント:
コメントを投稿