2012年2月4日土曜日

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2012年2月2日22時58分

平安末期の土器に鬼の顔? 奈良・橿原で出土

写真:鬼の顔を描いたとみられる墨書土器。口から上に向いて牙が出ている=奈良県橿原市拡大鬼の顔を描いたとみられる墨書土器。口から上に向いて牙が出ている=奈良県橿原市


 鬼の顔を墨で描いたとみられる平安時代末期ごろの土器が、奈良県橿原市の新堂(しんどう)遺跡で見つかった、と市教委が2日発表した。鬼の顔が描かれた墨書土器は全国でも極めて珍しく、鬼を封じるための祭祀(さいし)で使われた可能性があるという。

 土器は、12世紀初めごろに埋められた井戸(直径約80センチ、深さ約1.7メートル)の中から見つかった。土師器(はじき)の碗(わん)の底(直径約10センチ)に墨で丸い目や太い眉、大きな鼻、額のしわのほか、口の両端から上向きに飛び出た牙が描かれていた。

 鬼は飛鳥時代ごろ、鬼瓦として使われた後、仏教の末法思想が広まった平安時代に絵の中によく描かれ、広まったとされる。元興寺(がんごうじ)文化財研究 所の狭川(さがわ)真一研究部長(仏教考古学)は「鬼が身近な世界に入り込んできた時代のもので、極めて貴重だ」と話す。

 4日〜3月31日、橿原市の千塚資料館(0744・27・9681)で展示される。(渡義人)





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