2012年1月15日日曜日

asahi archeology history japan hyoutan hyotan Minoyama haiji Yawata Kyoto

2012年1月14日0時13分

ひょうたん形の土製品13点出土 京都・美濃山廃寺

写真:美濃山廃寺から出土したひょうたん形土製品=13日、京都府八幡市、高橋一徳撮影拡大美濃山廃寺から出土したひょうたん形土製品=13日、京都府八幡市、高橋一徳撮影


 7世紀から9世紀まで存続したとされる京都府八幡市の美濃山(みのやま)廃寺で、高さ20センチ前後のひょうたん形土製品が13点出土した。同市教委と府埋蔵文化財調査研究センターが13日発表した。願い事をする塔の一種とみられ、この形の土製品の出土は全国初という。

 新名神高速道路の建設予定地の丘陵地約1万6千平方メートルを調べたところ、寺院の中心施設とみられる掘っ立て柱建物跡(東西約20メートル、南北約 10メートル)の南側で見つかった。醍醐寺五重塔(京都市伏見区)など、塔の最上部(相輪)の先端につく宝珠と竜車に似た形で、塔の一種と判断した。

 願い事をかなえるために小さな塔を多数作った例としては、奈良時代後期に称徳天皇が法隆寺など10の寺院に置いた木製の「百万塔」が文献で確認できる最 古とされる。平安時代後期には、「泥塔(でいとう)」と呼ばれる土製の塔を多数作ることが流行したという。帝塚山大の森郁夫客員教授(歴史考古学)は「多 数の塔を作ることで国家の安穏を願ったのではないか」とみる。

 現地説明会は15日午前11時と午後1時から。小雨決行。現場はJR松井山手駅から北西約2キロ。問い合わせは現地事務所(090・8207・5285)へ。(原知恵子)




0 件のコメント: