2010年8月3日火曜日

asahi shohyo 書評

本の虫ではないのだけれど—日常を散策する1 [著]清水真砂子

[掲載]2010年8月1日

  著者は『ゲド戦記』の訳などで知られる翻訳家・児童文学者。本について、読書について書かれた短い文章を中心にまとめたエッセー集には、著者が発見した好 きな人やもの、文中の言葉を借りれば「希望へとつなげてくれるもの」とのさまざまな出会いがつづられる。他者に向けて開かれているそのまなざしは、真摯 (しんし)でみずみずしい。内省的だが、時に深い怒りを率直にしるすこともある。まとめられたエッセーとほぼ同じ期間、三十数年にわたって教壇に立った学 校での「最後の授業」も収録した。読んで、しみじみと元気がわいてくる。

表紙画像

ゲド戦記(6点6冊セット) (岩波少年文庫)

著者:アーシュラ・K. ル=グウィン

出版社:岩波書店   価格:¥ 4,830

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