2012年12月5日水曜日

asahi shohyo 書評

銀河を「どら焼き」にしたら… 宇宙を易しく、解説本

[掲載]2012年11月30日

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布施哲治さん

表紙画像 著者:布施哲治  出版社:角川学芸出版 価格:¥ 620

 独立行政法人・鹿島宇宙技術センター(茨城県鹿嶋市)の主任研究員布施哲治さん(42)が、宇宙の広さや位置関係などを身近なものでたとえて解説した「たとえば銀河がどら焼きだったら」(角川ソフィア文庫)を出版した。
 2008年に単行本を出し、文庫化にあたって「ヒッグス粒子」に関するものなど新作13項目を加筆するとともに、最新のデータに修正した。
 本書によると、私たちの住む銀河系とアンドロメダ銀河を、それぞれ直径10センチのどら焼きにたとえると、二つの距離は「2・3メートルほど離した状態」になるそうだ。
 また、地球を直径10センチのリンゴに見立てると、厚さ平均35キロメートルの地殻は0.3ミリになり、皮の部分近くに相当するという。
 小惑星イトカワから微粒子を持ち帰った探査機「はやぶさ」については、プロジェクト研究員だった経験なども踏まえて、新しく書き加えた。
 イトカワの長さが東京スカイツリーほどしかなく、引力がほとんどないため、探査機の軌道を自由に制御できたことも、成功の大きな要因だと説明している。
 布施さんは「宇宙にはあまり興味ないという大人が、読み終えた後は好きになっているような本。宇宙好きの方が読めば、他の人に伝えたくなる内容になっている」と話している。
 ちなみに、カシマサッカースタジアムの中央にサッカーボールを置いて太陽と仮定すると、ゴールの位置は火星と木星の間に相当するという。

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たとえば銀河がどら焼きだったら 比較でわかるオモシロ宇宙科学

著者:布施哲治/ 出版社:角川学芸出版/ 価格:¥620/ 発売時期: 2012年11月

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