英女王、アイルランド初訪問 英君主で100年ぶり
英国のエリザベス女王(85)が17日、アイルランドを訪れた。英君主の公式訪問は100年ぶりで、前回1911年はまだ英支配下にあった。約800年に及ぶ支配や英領北アイルランドの帰属問題で対立した両国の関係改善を象徴する動きだ。
訪問は20日まで。女王は17日、首都ダブリンでマカリース大統領と面会。アイルランド独立のために亡くなった人の追悼施設で献花し、黙祷(もくとう)を捧げた。18日には、英軍が市民ら14人を射殺した20年の「血の日曜日事件」が起きたスタジアムを訪れる。
アイルランドは12世紀に英国に征服され、1800年に併合された。1922年、北アイルランド6州を除く26州が英連邦自治領となり、37年に独立。 49年に英連邦を脱退した。英領北アイルランドではカトリック系とプロテスタント系の対立とテロが続き、3200人以上が犠牲になった。
98年に北アイルランド和平が成立。昨年、最後の難問だった北アイルランド自治政府への警察・司法権限の移譲が実現した。マカリース大統領は女王の訪問を「我が国の歴史にとって特別な瞬間」としている。
一方、北アイルランド分離独立を求める集団は小規模な抗議運動を展開。16日夜には郊外からダブリンに向かうバスで爆弾が見つかり、緊張も高まっている。(ダブリン=伊東和貴)
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