弥生人の身近にコウノトリ 大阪の水田跡に最古の足跡
(左から)現代のコウノトリの足型、池島・福万寺遺跡から見つかったコウノトリの足型、現代のアオサギの足型=18日午後、奈良市、諫山卓弥撮影
池島・福万寺遺跡から見つかったコウノトリの足跡と、現代のコウノトリの足跡を重ね合わせて説明する奈良文化財研究所の松井章・埋蔵文化財センター長=18日午前、奈良市、諫山卓弥撮影
大阪府東大阪、八尾両市の池島・福万寺遺跡で15年前に見つかった鳥類の足跡が、弥生時代前期(2400〜2500年前)のコウノトリのものと確認された。国内最古とされてきた前橋市の水田跡(6世紀)で見つかったものより、約900年さかのぼる。
鑑定した奈良文化財研究所の松井章・埋蔵文化財センター長(動物考古学)らが18日、発表した。数十個が人の足跡とともにまとまって出土したことから、弥生時代の銅鐸(どうたく)に描かれ、サギかツルとみられてきた鳥はコウノトリの可能性がある、とも指摘している。
1996年に府文化財調査研究センター(現・府文化財センター)が、洪水に埋もれた水田跡(約400平方メートル)で数十個を確認。ほとんどが同じ種類の足跡で、長さ15.1センチのものをひとつだけ石膏(せっこう)で型どりした。
松井さんが昨年、兵庫県立コウノトリの郷公園(同県豊岡市)から足型を借りて照合したところ、指の長さや太さなど特徴が一致。共同研究した山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)も、コウノトリの可能性が高いという結論を出した。
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