2011年1月26日水曜日

asahi science biology hoya baby swimming

背骨なしで泳ぐホヤの赤ちゃんの仕組み解明 阪大教授ら

2011年1月25日5時31分

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写真:オタマジャクシのような格好をしたホヤの幼生。体長は0.5ミリほど=岡村康司教授提供オタマジャクシのような格好をしたホヤの幼生。体長は0.5ミリほど=岡村康司教授提供

図:  拡大  

 背骨のない無脊椎(せきつい)動物のホヤの赤ちゃんが泳ぐ仕組みを、大阪大の岡村康司教授(生理学)らの研究グループが解明した。数少ない筋肉細胞一つ 一つの収縮に強弱をつけることで泳いでいた。オタマジャクシのような形をしているが、背骨のある魚やオタマジャクシとは異なる仕組みだった。生物の進化の 過程を解明するのに役立つという。24日、米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。

 ホヤ(カタユウレイボヤ)は成長すると岩礁にはりついているが、生後6〜7時間はオタマジャクシのような格好で泳ぎ回る。研究グループは、筋肉を収縮さ せる働きがあるカルシウムをどう取り込むのかを調べた。ホヤの赤ちゃんは、神経伝達物質の量の違いで開く細胞膜の穴を使って体液中のカルシウムを取り込む 量を調節し、個々の筋肉細胞が収縮する度合いに強弱をつけて泳いでいた。

 魚など脊椎動物では、神経伝達物質の信号を受け取ると、細胞内の袋からカルシウムが放出され細胞が収縮する。個々の細胞は収縮の度合いを調節できず、様々な種類の筋肉細胞の塊が分業することで泳いでいる。

 研究グループの西野敦雄助教(動物学)は「生物が進化する過程で、何らかの理由で筋肉細胞がカルシウムを外から取り入れなくなり、様々な筋肉細胞が発達した。そうした進化の過程を解明するうえで役に立つ」と話している。(坪谷英紀)






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