1億年前の恐竜「よろい竜」の化石、小学生が発見 兵庫
よろい竜の歯の化石を発見した田中翔己君=7日午後、兵庫県三田市の「県立人と自然の博物館」、筋野健太撮影
発見された草食性恐竜「よろい竜」の歯の化石=7日午後、兵庫県三田市の「県立人と自然の博物館」、筋野健太撮影
兵庫県丹波市山南町上滝の前期白亜紀の地層「篠山層群」(約1億1千万年前)から、草食性恐竜「よろい竜」の歯の化石が見つかったと7日、県立人と自然 の博物館(同県三田市)が発表した。体験発掘会で地元の小学生が見つけた。これまでよろい竜の化石は頭骨片と歯、足跡の3件が国内で見つかっているが、歯 は今回のものが最古とみられるという。同博物館で8〜10日に一般公開される。
篠山層群からは、2006年に国内最大級の草食性恐竜「丹波竜」の化石が発掘されている。また、ティラノサウルス類など肉食恐竜の化石も見つかっており、これが5種類目の恐竜となる。
よろい竜は背中にとげ状の骨が並び、表面がよろいのように硬く覆われているのが特徴。見つかった歯は長さ5.7ミリ、幅3.7ミリと小さく、手のひらに 似た形をしている。歯の大きさから頭は約10〜20センチ、体長2、3メートルと推測され、若い個体とみられる。同博物館は、生え替わったときに抜けた歯 とみている。
昨年10月、小石を調べる体験発掘会で同県篠山市立古市小3年の田中翔己(しょうき)君(9)がハンマーで割って見つけた。田中君は「石に何かついていたから、見せに行ったら化石やと言われた。『やった』と思った」と話した。
篠山層群は丹波市と篠山市にまたがる東西約18キロ、南北約6キロの地層。08年7月には地元の小学生が肉食恐竜の歯を見つけている。博物館の三枝春 生・主任研究員(52)は「小学生は小さいものに気づくことがあり、そばにアドバイスする大人がいれば、こういう発見につながる」と喜んだ。(伊藤武)
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〈よろい竜〉 成体は体長約3〜6メートル。1億4千万年前〜6500万年前の白亜紀に北米やアジアに生息し、シダ類などの裸子植物を食べていたとみられる。顔の幅が広く頭の骨が角張っているアンキロサウルス科や、ほっそりした顔のノドサウルス科などが分類される。
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