アルツハイマーに新タイプ 大阪市大教授ら専門誌に発表
2008年02月27日07時35分
アルツハイマー病は、ベータアミロイドと呼ばれるたんぱく質がたまって脳に老人斑と呼ばれるシミをつくり、発病すると考えられていたが、シミを作らずに 発病するタイプがあることがわかった。大阪市立大の富山貴美准教授、森啓教授らが、米専門誌に発表した。このタイプは、これまでと異なる遺伝子配列の変異 が原因で、老人斑を標的にした診断法や治療薬の開発だけでは十分でない可能性が出てきた。
アルツハイマー病は、ベータアミロイドがたまって線維になることで神経細胞が死に、発病すると考えられてきた。ところが最近、老人斑ができる前のベータアミロイドがいくつかくっついた段階で、神経細胞の働きをじゃますることで病気になることが、動物実験でわかってきた。
同グループは、ある患者でベータアミロイドをつくる遺伝子に変異を見つけた。その変異があると、老人斑はまったくできないのに発病することがわかった。
これらの結果から、アルツハイマー病の原因は、たまって線維になる前のベータアミロイドが関係している可能性が強いことがわかった。アル ツハイマー病に詳しい井原康夫・同志社大教授は「見えないものが真犯人である可能性を提示した点で、非常に興味深い結果だ」と話している。
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