2008年2月27日水曜日

asahi literature book shohyo 書評 論座

「日本の書評、不十分」 日英の「書評」比較 論座4月号

2008年02月27日

 「論座」4月号の特集「理想の書評」で、横浜市立大学名誉教授の小野寺健さんが、「理想的な書評に追求してほしいもの」を寄せている。英国と日本の書評の対比から、二つの社会の違いを論じている。

 小野寺さんによると、英国の「タイムズ文芸付録」の巻頭書評などは「一冊の本に匹敵するほど」の長さ。英米の書評紙、高級一般紙、週刊誌のすぐれ た書評は「対象となる一冊の本の枠に縛られない、独立した本格的エッセーを目指している」という。これに対し、日本では書評に十分なスペースが与えられて いないと指摘する。

 日本で英国のような書評が育っていない理由は、論争と、それを支える散文の伝統が希薄であるから、とみる。

 一方で小野寺さんは、英国の書評の隆盛を支えているのは閉鎖的な知的集団であり、「英国社会の差別的階層性とむすびついている」とも指摘している。

 「論座」4月号は3月1日から順次発売。

No image
論座 2008年 04月号 [雑誌]
出版社:朝日新聞社出版局
価格:¥ 780

p.s. まったく以ってその通り。

0 件のコメント: