2012年3月12日月曜日

asahi science archeology ancient whale fossil kujira kaseki Kinugawa Tochigi

2012年3月12日20時41分

1千万年前のクジラの化石、ほぼ完全な形で出土 栃木

写真:出土したクジラの全身の骨格=宇都宮市、栃木県立博物館提供拡大出土したクジラの全身の骨格=宇都宮市、栃木県立博物館提供


 栃木県立博物館は12日、宇都宮市東部の鬼怒川河岸から、約1千万年前(中新世)のクジラの化石が見つかったと明らかにした。頭から尾までの骨格がほぼ完全な形で出土しており、全国的にも珍しいという。

 博物館によると、ナガスクジラの一種とみられ、全長約8メートル。鬼怒川西岸近くの川底で、渇水期に一部が露出しているのを化石愛好家の男性が見つけ、博物館に知らせた。

 海のない栃木県内でクジラの骨格が見つかったのは1978年以来。県立博物館の柏村勇二特別研究員は「指の骨や耳石につながる小骨など、めったに出土し ない細かい骨がまとまっている。極めて珍しい産出形態。入り江に迷い込んだクジラが死んで水底に沈んだが、死肉を食い荒らすような生物もいなかったのでは ないか」と話している。

 当時の栃木県は海の水が引き始めた時期で、入り江に植物性プランクトンが大量発生し、生物の住みにくい時代だったとみられるという。

 県立博物館は早ければ3月末から、館内で特別展示を実施する。






0 件のコメント: