布のちから [著]田中優子
[掲載]2011年2月13日
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布というものを服飾の素材としてではなく媒体(メディア)としての観点 で読み解き、「布と人間との接点」といった側面から語り尽くす。本著によれば、ガンジーは植民地支配からの脱却を、自らの手で糸をつむぎ布を織り国民にも それを奨励することから始め、戒厳令下のチリで多くの人が行方不明となり、人々はキルトを縫い、商人に託して惨状を海外へ発信することに成功したという。 日本でも、先祖の着物の端切れを縫い合わせた着物で盆踊りを踊り、死者の魂を慰める地域がある。豊富に事例を示しつつ、布とは言語であり、表現そのものだ と教えてくれる。
- 布のちから 江戸から現在へ
著者:田中優子
出版社:朝日新聞出版 価格:¥ 1,995
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