2011年2月16日水曜日

asahi science mineralogy gas Chibaseki

結晶の中に天然ガス、新鉱物「千葉石」発見 英誌に発表

2011年2月16日13時48分

印刷印刷用画面を開く

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真:新鉱物「千葉石」の結晶=物質・材料研究機構提供拡大新鉱物「千葉石」の結晶=物質・材料研究機構提供

写真:新しく確認された「千葉石」拡大新しく確認された「千葉石」

 結晶の中にメタンなどの天然ガスを閉じ込めた新しい鉱物が千葉県南房総市の山中で見つかった。発見地にちなんで「千葉石(ちばせき)」と命名され、国際 鉱物学連合の認定を受けた。物質・材料研究機構(茨城県つくば市)や千葉県立中央博物館などの研究チームが、15日発行の英科学誌ネイチャーコミュニケー ションズ(電子版)に発表する。

 千葉石は、同県館山市に住むアマチュア研究家、本間千舟(ちぶね)さん(63)が約1800万年前の堆積(たいせき)岩の中から、1〜5ミリ程度の結晶 を見つけた。物材機構などの解析で、二酸化ケイ素が主成分の無色透明の鉱物で、ケイ素と酸素が結合してできた「かご」のような形の微小構造の中に、メタン やプロパンなどが入っていることがわかった。

 千葉県沖などでは、太平洋側の岩板(プレート)が大陸側のプレートの下に沈み込んでいる。プレートが沈み込む際、生物の死骸などの有機物を含んだ海底の 堆積物が、積み重なって固まり岩石になり、海底の隆起で地上に現れる。物材機構の門馬綱一研究員によると、有機物の分解でできた天然ガスが、千葉石ができ る途中で「かご」に閉じ込められたとみられる。

 内部の天然ガス成分を取り出して利用することは、現段階では難しいという。(中村浩彦)






0 件のコメント: