エベレスト初登頂のエドモンド・ヒラリー氏死去
2008年01月11日10時03分
世界最高峰エベレスト(中国名チョモランマ、8848メートル)に初登頂した登山家のエドモンド・ヒラリー氏が11日、ニュージーランド北島オークランドの病院で死去した。88歳だった。ニュージーランドのクラーク首相が同日、発表した。死因は明らかにされていないが、ネパール訪問中の昨年4月に体調を崩し、療養中だった。クラーク首相は「ヒラリー氏は我が国の偉人で英雄であり、国民全員が深く彼の死を悲しんでいる」と悼んだ。
07年1月、南極スコット基地の50周年記念式典で、あいさつするエドモンド・ヒラリーさん=AP |
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オークランド近郊のツアカウ生まれ。家業の養蜂業を手伝いつつ、地元の山々に登った。
英国の第9次エベレスト遠征隊に参加していた53年5月29日未明、ネパール人のシェルパ、テンジン・ノルゲイ氏(86年に死去)と8500メートルの最終キャンプからアタックをかけた。後に「ヒラリーステップ」と名付けられる山頂直下の垂直に近い約12メートルの岩場の難所を乗り越え、同日午前11時半、史上初めて世界最高地点に到達した。
2人の登頂成功はエリザベス女王の戴冠(たいかん)式前夜にロンドンに伝えられた。同年7月、英国王室からナイトの称号を授与された。
エベレスト登頂後は、トラクターでの南極点到達やネパール奥地での雪男捜索などの探検も行った。85年からはニュージーランドの駐インド、ネパール大使も務めた。
エベレスト登頂を助けてくれたシェルパたちとの交流も続け、「ヒマラヤ基金」を設立。シェルパの住むエベレストの南方にあるネパールのクンブー地方に学校や病院を建設する活動にも力を入れた。登山者の増加でヒマラヤの環境破壊が進んだことに心を痛め、自然保護についても晩年まで積極的に発言を続けた。
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