麻生首相の平和記念式典あいさつ(全文)
広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式に当たり、原子爆弾の犠牲となられた方々の御霊(みたま)に対し、謹んで哀悼の意をささげます。今なお、被爆の後遺症に苦しんでおられる方々に、心よりお見舞い申し上げます。
64年前の今日、原子爆弾がこの地に投下され、幾万の尊い命が一瞬にして奪われ、多くの方々が傷つきました。美しい「水の都」、広島の街も焦土と化しました。
しかし、戦後の歩みの中で広島は市民の皆様とともに立ち上がり、今や「国際平和文化都市」として大きく発展をしました。今日までの広島の奇跡的ともいえる復興と発展に尽力された皆様に心から敬意を表します。
日本は被爆の苦しみを知る唯一の被爆国です。広島、長崎の悲劇を二度と繰り返さないためにも、国際平和の実現に向け、あらん限りの努力を傾けていかなければなりません。
我が国はこれまで15年間にわたって、国連総会に核廃絶決議を提出してきました。こうした中で昨今、米ロ両国は核兵器の一層の削減をめざして交渉を進め ています。G8サミットでは先月、ラクイラにおいて、初めて「核兵器のない世界」を宣言し、世界的な核軍縮・不拡散に関する機運の高まりを維持・強化する ための力強いメッセージを表明しました。
そして本日、私は改めて日本が今後も非核三原則を堅持し、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に向けて、国際社会の先頭に立っていくことをお誓い申し上げます。
被爆により苦しんでおられる方々には、これまで保健、医療並びに福祉にわたる総合的な援護策を講じてまいりました。特に、原爆症の認定について は、できる限り多くの方々を認定するとの方針で臨んでおります。昨年4月からは、新たな方針に基づいて約4千人の方を認定いたしましたが、その後の司法判 断を踏まえ、対象を拡大いたしました。
また、昨年、在外被爆者の方々の被爆者健康手帳の取得を容易にするための改正被爆者援護法が施行されております。今後とも多くの方々を援護できるよう、引き続き取り組んでまいります。
結びに、犠牲となられた方々のご冥福と、被爆された方々並びにご遺族の皆様の今後のご多幸、そして広島市の一層の発展を心よりお祈り申し上げ、私のあいさつといたします。
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