社説:地方分権 本気度が試されている
問われるのは本気度である。次期衆院選に向け、各党が分権改革への積極姿勢を競い合う場面が目立っている。全国知事会が政党のマニフェスト(政権 公約)採点に先立ち7日開いた討論会に招かれた自民、民主、公明3党の責任者は、知事会が最重視している国と地方の協議機関の法制化をそろって確約した。
橋下徹・大阪府知事らの言動で注目度を増した知事会が公約の点数評価という手段で政党に圧力をかけ、ある程度踏み込んだ回答を引き出すことに、今回は成功したと言える。とはいえ、本当に各党が分権改革をどこまで重視しているのか、やはり疑念がつきまとう。
討論会は知事らによる3党への口頭試問という趣だった。地方の財源や、改革のスケジュールについて、政党側が比較的ていねいに説明している印象を 与えた。知事会による各党の採点結果は8日公表されるが、一連の活動を通じて分権改革への注目度が増し、公約の中身にも影響を与えた点がむしろ重要であ る。
だが、積極姿勢を競う各党の姿に、複雑な思いも抱いてしまう。分権に後ろ向きだと橋下氏らから糾弾され、選挙に影響しかねない−−。こんな思惑が透けて見えるためだ。
たとえば自民党は公約に国と地方の役割見直しや、国の出先機関の廃止、縮小などを掲げた。国の直轄事業の地方負担金も施設の維持管理費廃止を明記 し、具体的だ。しかし、麻生内閣の下で分権改革をほとんど進めてこなかった同党だ。きちんとした総括抜きのひょう変では信用できない。
やはり公約で目標として掲げる「道州制」にしても、連邦制に近い州独立型なのか、都道府県をスリム化し合併させるイメージなのか、肝心な部分がなおあいまいだ。
民主党も、国から地方へのひも付き補助金を使途を定めぬ「一括交付金」とする目玉公約以外、どんな地方像を築こうとしているかが実際にはわかりに くい。国と地方の協議機関の法制化は公約にも追加する方針という。それならば、新設する政府の会議のメンバーに地方代表を参加させるのか、それとも文字通 り「対等」な仕組みの機関を設置するのか、具体的に説明する必要がある。
分権の大きな要素である地方への税源移譲は、知事会が求める「国、地方対等」の税源配分の実現について自民、民主両党の公約でふれられなかった。 消費税の地方配分など将来的な不確定要素が多いのは理解できるが、自主財源の裏付けなしで「地域主権」など実現しない。真の分権派なら、逃げてはならな い。
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