2009年9月11日金曜日

mainichi hito Tom Pringle "Stunt Scientist"

ひと:トム・プリングルさん 科学の楽しさを世界で広める

 白衣ならぬオレンジ色のつなぎに水玉模様の帽子。奇抜な衣装を身に着けると、謎の科学者「ドクター・バンヘッド」に変身する。8月に初めて来日し、「はこだて国際科学祭」の科学ショーで1500人を沸かせた。

 目の前で科学のおもしろさを見せる。欧米やアジアで年200回近く公演。「燃焼」の実験では、酸素と水素で膨らませた風船を観客に点火させ、炎と 大音響で盛り上げる。マイナス196度の液体窒素を使った爆発でバケツを壊して見せる。どちらも気体の変化と威力を体感してもらう狙いだ。「危ないことを 安全にやるのがプロさ」。アクション映画のスタントマンをもじって、自身を「スタント・サイエンティスト」と呼ぶ。

 学校の理科の授業は退屈だった。進路が見えず悩んでいた95年、科学ショーを見て「これだ」と直感した。専攻した化学の知識を使い、机上実験を繰り返し安全性と娯楽性を高める。教育の要素を盛り込むことも忘れない。

 英国では「理科を学校で一番かっこいい科目にした」と評される。筒に詰めたジャガイモを高圧ガスで「発射」し、テニスラケットにぶつけ粉々にする 実験は「3分間で最も大量のフライドポテトを作れる挑戦」としてギネスブック(06年)に載った。アイデアは無尽蔵。「子どもを夢中にするのは何か知って る? 彼らは爆発とうんちが大好きなんだ!」。ちゃめっ気全開である。【元村有希子】

 【略歴】Tom Pringle 英プリマス生まれ。エディンバラ大で化学工学修士号を得て、この道に。エディンバラ在住。43歳。

毎日新聞 2009年9月11日 0時05分




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