2009年9月3日木曜日

asahi shohyo 書評

脱貧困の経済学—日本はまだ変えられる [著]飯田泰之、雨宮処凛

[掲載]2009年8月26日朝刊

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■貧困を解消する処方箋(せん)を説く

  著者の一人、飯田泰之は、一般向けに経済問題をわかりやすく語ることにかけては第一人者ともいえる新進気鋭のエコノミストである。そして、雨宮処凛は、こ れまで非正規雇用者や失業者など、不安定な状況にある人々「プレカリアート」の支援にかかわり、反貧困運動のシンボル的存在として知られる。本書は、現代 日本の中心的な論点ともいえる「貧困」問題について、二人の論客が忌憚(きたん)なく意見を出し合った一冊であり、日本の社会保障政策に関する時宜を得た 処方箋といってもよい。

 「働いても働いても食べられない! 大貧困社会はどこからきたのか?」「『経済成長はもういらない』でほんとうにいいのか?」 といった疑問に、本書はきわめて明快な回答を用意する。二人は正確なデータと確かな取材に基づいて、冷静に現状を分析するとともに、進むべき政策の方向を 濃密な対話を通じて示す。そして、すべての人にセーフティーネットとしての給付金を保証するベイシック・インカム制度と、最低賃金値上げなどの有効性を検 証し、「経済成長の追求」と「低所得者への再配分」が両立できることを説くのである。

表紙画像

脱貧困の経済学-日本はまだ変えられる

著者:飯田泰之・雨宮処凛

出版社:自由国民社   価格:¥ 1,500

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