2009年9月11日金曜日

mainichi yurakucho

憂楽帳

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憂楽帳:血液型

 人間の頭は同時に多くのものを扱えない。その数は「7プラスマイナス2個が限界」だとする「ミラーの法則」があるのを、精神科医の中井久夫さん(75)に教わった。

 近著「臨床瑣談(さだん) 続」(みすず書房)で取り上げている「血液型性格学」に関連して聞いた。千差万別なはずの人間の性格が、ABO型のように四つの分類で済まされるのはおかしい。なのに流通するのは、分類の「数の少なさ」自体が一つの根拠であるらしい。

 同じことは、中井さんの専門分野にも当てはまると言う。「統合失調症では科学的な36分類が知られていますが、こんなに多いと実際の治療には使い こなせません」。また、かつての日本では出身地=お国を尋ねることが対人関係を円滑にしたが、郷里を持たない都会人が増えるにつれ、血液型の話題に代わっ たとの指摘も面白い。

 普通の医者は触れたがらないテーマから、深みのある文化論が展開されるのに驚く。小中学校で転校を繰り返し「お国は?」の問いに戸惑い続けてきた記者も、納得できた。【大井浩一】

毎日新聞 2009年9月11日 12時32分




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